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ビタミンDの重要性。ビタミンDが欠如すると大変なことに


サーモン、ビタミンDが豊富に含まれる。

ビタミンDはシイタケや サーモンなどの食材に含まれている 脂溶性ビタミンですが、 血中で検出されるビタミンDは 25(OH)Dと呼ばれる代謝物。 多くは皮膚が紫外線を浴びたときに 皮膚細胞の膜にあるコレステロールから 生合成されます。 25(OH)Dは肝臓と腎臓で活性化された後、 腸管でのカルシウムの吸収に 重要な役割を果たしています。 ビタミンDが欠如すると大変なことに ビタミンDが不足すると 骨が成長できない「くる病」が よく知られていますが、 最近の研究で骨粗しょう症、高血圧、 結核、がん、歯周病、うつ病や認知症なども 多くの高齢期疾患との関連性が報告され、 その重要性が見直されています。 そこで話題なのが、 高齢期のビタミンD欠乏症が 高齢期の筋力低下と運動機能の低下に 関与しているとした研究報告です。 アイルランドのダブリン大学 トリニティ・カレッジ医学部の マリア・オサリバン博士らの研究チームは、 英国縦断加齢研究に参加した 60歳以上の高齢者男女4157人 (平均年齢69,8歳)を対象に 血中の代謝濃度と握力や 2.44メートルの歩行速度、 イス座り立ちテストなどの 運動機能との関連性を検討しました。 研究チームは、まず血中の代謝物濃度が 1リットル当たり30ナノモルを ビタミンD欠乏と診断。 解析の結果、ビタミン欠乏の高齢者は 血中ビタミンDが同50ナノモル以上の 高齢者に比べ、筋力低下するリスクが 44%増加し、歩行、座り立ちやバランスなどの 運動機能が低下するリスクが65%も 増加していることが分かりました。 英国は日照条件が悪く、 皮膚でもビタミンD合成ができにくい 気候に加えて、高齢者が屋内で過ごす 時間が増えて紫外線を浴びる時間が 減少していることが、高齢期の筋力低下や 運動機能の低下の原因の一つになっていると オサリバン博士は考察します。 日本でも屋内で過ごす高齢者は多く、 認知症高齢者の多くは 代謝物濃度が同30ナノモル以下で ビタミンD欠乏と診断できます。 高齢期の筋力低下は骨密度低下から転倒骨折に、 日常活動性の低下からは認知機能の低下へと、 それぞれつながっているのです。 高齢期の生活の質を保つためにも 屋外で紫外線を浴びてビタミンD欠乏を 予防して、筋力、骨密度、認知機能を 維持することが重要になります。


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